『街路樹は問いかける』これからの街路樹にあり方を提言

 一造会の顧問や幹事など、一造会とかかわりの深い4名の執筆者が、米・独・仏の諸都市の取り組みなどを紹介し、未来の世代へ”緑の都市”を育もうと、温暖化に負けない〈緑〉のインフラとしての街路樹のあり方を分かりやすく解説した本ができました。 

 本書のサブタイトルは、「温暖化に負けない〈緑〉のインフラ」で、帯には「紹介する米・独・仏の諸都市では、IT技術も駆使して、一本一本の樹の≪樹冠≫を最大化し、豊かな生態系を育もうとする多彩な取り組みがみられる。未来を生きる子どもたちのために、日本でも “緑の都市”を大きく育もう」とあります。

 街路樹については、さまざまな課題がありますが、本書は巻頭カラーで日本と世界の街路樹を紹介し、序章として藤井先生が「緑の日傘」の可能性を示し、終章で再生のための七つの提言を行い、1章から4章は、米・独・仏。日本の街路樹について解説。米の樹木「価値」を最大化する取り組みは當内さんが紹介しています。 一造会は近年3度にわたるシンガポールでの視察研修を行っていますが、ここでも街路樹は“命を守る”社会基盤に位置付けられ、育てることが重要とされ、世界的な潮流です。 

 本書の執筆者4名のうち、3名が一造会関係者です。藤井英二郎 千葉大学名誉教授は一造会の顧問であり、「一造会大賞」の選考委員長であり、當内匡 庭樹園代表取締役は一造会幹事として関西の窓口をされ、水眞洋子 ヴェルサイユ国立高等園芸学校付属研究所所属研究員は、一造会の勉強会で講師を務めていただきました。残るお一人の執筆者である海老澤清也さんは元江戸川区の造園職で、緑化事業に従事され、皆さん街路樹に造詣の深い方々です。

 ぜひ、、ご自身が読まれるだけでなく、街路樹に関わる街づくり、建築・土木、行政・議会など、多くの方々にご紹介いただき、これからの街路樹のあり方についての理解を広げるためにお役立ていただけると幸いです。