第6回 「京都庭園巡り」 伝統庭園の管理手法とその素材に触れる

 6回目となる関西支部主催の「京都の研修会」は、㈱空間創研の吉田昌弘会長を講師にお迎えして、2019年4月19日、20日に開催しました。
 「花のお寺仁和寺」で吉田会長と合流し、その後、恒例となった北山都乾園の土場で北山社長からお話を伺い、室町期を代表する夢窓国師作庭の等持院庭園を視察。一部は工事中であったが澄み切った水の流れと、奥行きのある落ち着いた庭の佇まいが美しく、改修されたばかりの茶室「青漣亭」は義政好みのこだわりを随所に感じることができ、聖大工務店の小島氏からもお話をお聞きすることができました。
 また、妙心寺からは徒歩で退蔵院、桂春院へ移動。妙心寺寺域のスケールを実感するにはこの方法が一番だという。退蔵院では、枯山水「元信の庭」を鑑賞しました。
 2日目は、京町家「杉本家の庭」からスタートし、五摂家の1つであった九条家の拾翠亭へ。その茶室からは東山を借景とした庭を眺めることができ、晴天の下、広い池周りを廻りました。次いで、臨済宗相国寺派の大本山であり、塔頭に金閣寺、銀閣寺を有する相国寺の広い境内を廻り禅寺の庭を満喫しました。
 さらに、二条城では、一般観光客と同じルートを使いながら広い廊下をぞろぞろ歩くが、多くの方が主に襖絵等の有る部屋の内部を鑑賞しているなか、そこここで廊下から眺める庭が本来の目線であると申される吉田先生の助言に従い、監視員の目を盗みつつ、あちらこちらの引き戸をずらしては小堀遠州作の庭を覗き見しました。
 この2日間にわたる研修は、吉田会長にすべてを案内してもらえる大変贅沢な内容で、毎回のことながら、毎回違ったポイントで企画してくださっている関西支部の方々に感謝いたします。

㈱空間創研の吉田会長と當内関西支部幹事
拾翠亭の茶室は江戸後期建築の数寄屋数書院造りである
小堀遠州によるとされる二の丸庭園『亀島』